AVが性教育になってしまった時代 ― アダルトビデオの弊害
昔の日本では、性について学ぶ機会は今とは大きく違っていました。
地域によっては若者宿などで年長者から性について教わる文化があり、また一部の地域では年上の女性が若者の筆おろしを行い、男女の関わり方やSEXについて教える風習もありました。
「実際の人との関わり」を通して性を学ぶ機会があったのです。
しかし、時代とともにそのような風習は姿を消し、個人で性を学ぶ時代へと変わりました。
そして、その空白を埋めるように広まったのが「アダルトビデオ(AV)」です。
他人のSEXを見る機会はほとんどAVしかなく、多くの人が知らないうちに「これが普通なんだ」と思うようになっていきました。
AVは教材ではなくエンターテインメント
実際にAV監督や男優さんのお話を聞く機会がありましたが、皆さん口を揃えてこう話していました。
「あれは真似しちゃダメだよ。男の夢を映像にしたファンタジーだから。」
AVは作品であり、現実の男女関係をそのまま再現したものではありません。
ところが、性について学ぶ機会が少ないため、多くの男性はAVが正しいと思い込んでしまいます。
一方で女性も、
「AV女優のように激しく反応しなければいけない」
と思い込んでしまうことがあります。
つまり、男女ともにAVのイメージに振り回されているのです。
AVで誤解されやすいこと
AVでは、次のような描写がよく見られます。
- 女性は簡単にイク
- 男性器を見ただけで強く興奮する
- 女性器は強く激しく触った方が感じる
- 体位を何度も変えた方が盛り上がる
- 女性は常に大きな声で感じる
しかし、これらは演出であることも多く、現実の女性の感じ方とは異なる場合があります。
もちろん個人差はありますが、すべての女性に当てはまるわけではありません。
AVでは描かれない「SEXのあと」
もう一つ大きな違いがあります。
AVでは男性が射精すると、その場面で映像が終わります。
視聴者もAVを止め、そのまま別のことを始めます。
ところが現実では、そこからが大切な時間でもあります。
女性はまだ気持ちが落ち着いておらず、安心感や余韻を感じる時間を必要とすることが少なくありません。
それにもかかわらず、
- すぐにスマートフォンを見始める
- シャワーへ行く
- 着替え始める
など、まるでAVの電源を切った後と同じ行動をしてしまう男性は意外と多いのです。
本当に大切なのは「相手を知ること」
AVは娯楽として楽しむものであり、性教育の教科書ではありません。
大切なのは、映像を真似することではなく、目の前にいる相手が何を感じ、何を望んでいるのかを知ることです。
性は技術だけではありません。
知識、コミュニケーション、思いやり。
その積み重ねが、お互いに満足できるSEXにつながっていきます。
